ED治療薬にはバイアグラ(シルデナフィル )、レビトラ(バルデナフィル)、シアリス(タダラフィル)などがありますが、2023年4月現在ではすべてのED治療薬にジェネリック医薬品が販売されており、どの薬剤もジェネリックが主流となっています。ジェネリック医薬品は主要な成分・用量が同じであるため、効果に違いはありません。
今回はバイアグラ(シルデナフィル)、バイアグラジェネリックを服用してはいけない人についてお話します。
バイアグラ(シルデナフィル)の作用
まずはバイアグラ(成分名：シルデナフィル)の作用について説明します。
ED治療薬は性行為の前、空腹の状態で使用する内服薬です。バイアグラは服用後約1時間で効果が現れ、約3～5時間程度効果が持続します。
まずは勃起のメカニズムですが、性的な刺激を受けると体内にてNO(一酸化窒素)が放出され、cGMP(環状グアノシン一リン酸)が海綿体の筋肉を弛緩させ、流入した血液の圧力によって固くなって勃起します。
その際陰茎内ではcGMPを分解するPDE(ホスホジエステラーゼ)という酵素が勃起を収束させようとしています。射精後に勃起が納まるのはこの酵素のおかげでもあるのですが、多く出すぎてしまうと勃起が正常に行われなくなってしまいます。
ED治療薬は上述のPDEという酵素の働きを阻害する作用があり、陰茎が萎えてしまうのを防ぎ、正常に勃起をさせます。
薬剤を服用するとずっと勃起し続けてしまうのではないか？と心配される方がいますが、通常と同じく性的な刺激によって勃起するのは変わりませんし、効き始めから徐々に効果も減衰していくため、心配する必要はありません。
バイアグラ(シルデナフィル)の副作用
次にバイアグラ(シルデナフィル)の副作用についてお話します。
血管拡張作用に伴ってお酒を飲んだ時と似たような症状、主に頭痛・ほてり・潮紅・目の充血が起こることがあります。まれに動悸・鼻づまり・消化不良などを起こす方もいます。飲酒と同じで過度に副作用を恐れる必要はありません。
また、副作用が出て気になってしまう方は、市販の頭痛薬や胃薬などを併用しても問題ありませんので、効果を落としたりせず安心して服用できます。
どうしても症状が気になる方は医師にご相談ください。
バイアグラ(シルデナフィル)を服用してはいけない人
最後にバイアグラ(シルデナフィル)を服用してはいけない人についてお話します。
インターネットなどには過度に不安を煽る記事もありますが、服用できない場合は理由がありますので、鵜吞みにするのではなく、医師の診察の上で服用しましょう。
1.硝酸剤あるいはNO(一酸化窒素)供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド等)を投与されている方
→血圧が危険なレベルまで低下する恐れがありますので、絶対に服用しないでください。
2.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある方
3.心血管系障害を有するなど性行為が不適当と考えられる方
4.重度の肝機能障害のある方
→薬剤は肝臓で代謝され排出されますが、肝機能に障害がある方は本剤の血中濃度が上がる可能性があるため服用しないでください。
5.低血圧の方(血圧が最大90/最小50mmHg未満の方)または治療による管理がなされていない高血圧の方(安静時収縮期血圧が170mmHg以上の方または安静時拡張期血圧が100mmHg以上の方）
→本剤では一部血圧の低下が認められ低血圧の方は臨床試験から除外されており、上記の高血圧の方も同様に臨床試験から除外されている(安全性が確立されていない)ため、服用しないでください。
6.脳梗塞・脳出血や心筋梗塞の既往歴が最近6ヶ月以内にある患者
→脳血管障害の場合は血圧低下の可能性により、心筋梗塞の場合は性行為自体のリスクにより臨床試験から除外されているため、服用しないでください。
7.網膜色素変性症の方
→作用の項で述べたPDE阻害効果が網膜色素変性症の方に与える影響が認められ、臨床試験から除外されているため、服用しないでください。
上記の方はバイアグラ以外のED治療薬にも当てはまります。またED治療薬にはそれぞれ併用禁忌の薬剤があるため、服用されている薬剤がある方は医師に必ずご確認ください。
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