コラム

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2015.11.09

精子は季節の影響を受ける?

上野ユナイテッドクリニック(上野・御徒町)ではED治療薬バイアグラ(シルデナフィル)バイアグラジェネリック、レビトラ(バルデナフィル)シアリス(タダラフィル)などの薬を処方しています。
今回は「日本人には2つのタイプの精子濃度の季節変動があること」についてお話しします。

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精子は毎日作られる

女性の場合、生まれたときから卵巣に内に卵子の元となる細胞が存在し新たに作られることはありません。
一方男性の場合は思春期以降から高齢になっても精巣内で精子が作られ続けていきます。
このような理由から女性は加齢と共に卵子も老化していきますが、男性では精子は加齢の影響を受けにくいといわれています。

精子は精巣内の精細管で作られます。精細管内には精子の元になる精原細胞があります。
この精原細胞はホルモンの働きにより精原細胞→精母細胞→精子細胞(精子形成)と段階的に変化していき、最後に精子(精子発生)となります。
この精原細胞から精子になるまでは約74日間かかるとされています。

その後精子は精巣から精巣上体へ成熟しながら移動します。移動には約14日間かかるとされています。
そして受精能力を得た精子は精巣上体尾部で射精されるときまで待機に入ります。

精原細胞から精子になるのに約74日、成熟しながら精巣上体尾部まで移動するのに14日と、つまり精子が作られるには約88日、3か月くらいの日数がかかることになります。

こぼれ話 なぜ睾丸(精巣)は体外に露出しているのか

男性なら一度は睾丸に何かがぶつかるなどのダメージを受け、悶絶するという経験があることと思います。
女性の卵巣は体内にあるので何かにぶつけるという事はないですが、男性の場合は体外にあるので常にその危険があります。
では一体なぜ睾丸は体外にあるのでしょうか?

その答えは温度にあります。
精巣内で精子を作る酵素にとって最適な温度は体温より少し低い34℃付近といわれています。
体外に置くことで睾丸(精巣)の温度を低くしているんですね。

精子は季節の影響を受ける 日本人には2タイプ

徳島大学大学院の中堀教授と聖マリアンナ医科大学の岩本教授らの研究によれば、日本人男性の精子濃度には季節変動がある事が分かりました。
その研究によると2月から7月に濃くなるタイプと7月から12月に濃くなるタイプの2つに分けられるという結果が出ました。
さらに研究が進めばこの精子濃度の季節変動を利用して男性不妊治療に利用できる可能性が出てきます。

この研究は1999年から2002年にかけ、札幌、金沢、大阪、福岡で妻が妊娠している男性を対象に、月ごとに764人の異なる人から精液を採取し、X、Yという性染色体のうちの精子や睾丸の形成に関わる男性特有のY染色体の遺伝情報を調査しました。

研究の結果は遺伝情報を担うDNA構造には2つのタイプがあることが判明し、2万年以上前にアジア大陸から日本大陸に渡ってきた「縄文系」と3000年前に朝鮮半島経由で渡来してきた「弥生系」に大きく分けることが出来るとしています。
縄文系の男性の精子は7月から12月にかけての季節で濃度が濃くなり、一方の弥生系の男性の精子は2月から7月に濃くなることが判明しました。

縄文系と弥生系

我々日本人のルーツは「縄文系」、「弥生系」の2つに分けられることがよく知られています。
今回の調査では縄文系と弥生系で精子の季節変動の違いがあることが分かりましたが、実はもっと以前にこの2つのタイプで精子の数も異なると明らかにされています。

1999年に厚生省(当時)の研究班の調査で、縄文系の男性は弥生系の男性に比べ精子の数が少なく、無精子症になる確率が高いという事が判明しました。
この調査にも徳島大学の中堀教授が従事しており、調査結果の原因として遺伝的に精子形成能力が異なっている、もしくは遺伝タイプによって内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)等への反応性が違う可能性があると指摘しています。

1999年の厚生省の調査は神奈川県内の3つの病院で行われました。
最低でも1人の子供を持つ20~30代の健康な男性198人から精子と血液を提供してもらい、Y染色体を4つのタイプ別に分けました。
結果は198人のうちタイプ1が94人(47%)、タイプ2は44人(22%)、タイプ3は19人(10%)、タイプ4が41人(21%)となり、タイプ1,3,4が弥生系、タイプ2のみ縄文系と考えられるとされています。
そして精液1mlに含まれる精子数を調べたところ、縄文系のタイプ2は平均で約8300万個だったのに対し、弥生系のタイプ1,3,4では平均で1億300万個を超えていたそうです。また縄文タイプの1/3人は4000万個以下だったそうです。
更に神奈川県と大阪府の病院にかかっている無精子症の患者106人のY染色体を調査したところ、縄文系の方が弥生系に比べ無精子症になる確率が2倍になるという事が判明しました。

このように精液の濃度や精子数には遺伝的な要因も関わってくる事が分かりました。

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精子の形成には亜鉛が効果的です。

「最近精液の量が減った」という方にはサプリメントなどで亜鉛を摂取することをお勧めします。
亜鉛とは生体では鉄の次に多い必須微量元素で免疫機構の補助、味覚の感知など多岐にわたる生理的役割があります。
また男性にとっては適度な摂取は精子の形成の増加や性欲増進の効果が期待できます。

亜鉛は男性更年期障害(LOH症候群)の予防にも有効事例が報告されています。
当院でもED治療薬と合わせて購入していく方が多く、その効果を実感して頂いています。

記事監修

平成元年
埼玉医科大学医学部卒業
平成元年
東京医科大学付属病院
平成5年
牧田中医クリニック
平成8年
西熊谷病院
平成29年
ユナイテッドクリニック上野院院長就任
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